RUBY EYE

摩耶の存在は危険すぎる。

吸血衝動を抑えないことよりも、その身に秘める狂気の方が恐ろしい。

無邪気な幼子のように、自分の欲望に忠実だ。

十夜への独占欲を隠しもしない彼女は、力が強かった。

だから、十夜の許婚に相応しいと判断したのに。


「・・・・・・はぁ」

「お疲れのようですね」

「!」


静寂を破る他者の声に、時臣は素早く身構え振り返った。


「お前は―――」


背後に立っていた人物に、時臣は動揺を隠せずにいた。

中性的な容姿と線の細い体―――静貴。


「こんな夜更けに、何の用だ?」

「摩耶について悩んでいるようなので」

「・・・・・・」


静貴は悠々と時臣の前に座り、微笑んだ。


「摩耶は力が強い。簡単には死にません」

「・・・・・・」


時臣は、一瞬も油断できないと、警戒を解かない。


「ですが、どんなに強靭なヴァンパイアでも、彼女の前では無力です」


< 301 / 403 >

この作品をシェア

pagetop