RUBY EYE
ここに来て、静貴の言わんとする意味がわかった。
「ダンピール、か」
「はい。彼女なら、摩耶を殺せる」
「・・・・・・お前は何故、それを私に教える?」
静貴に関して、時臣はよく知らない。
音無の次期当主と言われ、穏やかな青年だと若い使用人達に人気がある。
こんな物騒なことを言う男だったのか?
「そもそも、摩耶―――」
言いかけて、時臣は口を閉ざした。
(伊織と共に、この屋敷に出入りしていたと聞くが・・・・・・)
伊織程、頻繁には出入りしていないが、何より、光彦の起こしたあの事件の際、彼はどこにもいなかった。
早計すぎるし、確信などないが。
「まさか、君が―――」
「さぁ? なんのことでしょうか?」
笑顔を崩さない静貴が、不気味だ。
この雰囲気は、どこか摩耶に似ている。
いや、摩耶よりも歪んでいるような・・・・・・。
「では、失礼します」