RUBY EYE

本人達は否定するだろうが、朔はそう思うのだ。


「・・・・・・」


時臣は朔が見えなくなると、頭上の月を見上げた。

雲に隠れることなく存在を見せつける月。

明日も晴れる。

そんなことを思いながら、時臣は静かに部屋へと戻った。

未だ解決されない問題を残したまま―――。










摩耶との約束で、十夜は毎日、彼女の元へ足を運んでいた。

もちろん、十夜がどこへ出かけているのかなど、月野は知らない。


「ん・・・・・・」


カーテンから漏れる太陽の光で、月野は眠りから覚める。

何度か瞬きを繰り返し、頭がハッキリしてくると体を起こした。

夏の夜は寝苦しいけど、紅玉館は高台にあり、周りを森で囲まれているから、少しは涼しい。


着替えを済ませ、渇いた喉を潤すため、キッチンへ向かう。


「おはようございます、花村さん」

「おはよう、月野ちゃん」


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