RUBY EYE
冷たいお茶を飲み、月野は自然と微笑む。
「十夜はまだ寝てるの?」
「そう、みたいですね」
最近の十夜は、夜遅くに寝ているらしく、起きるのも遅い。
しかも、眠りが浅いようだ。
「起こして来ましょうか?」
「そうね。まぁ、無理そうならそのまま寝かせておいていいわ。夏休みだから」
椿は気にした様子がないように見えるが、椿なりに気にしてはいる。
月野がキッチンを出ると、朝からスーツをきちんと着た秦と出くわした。
「あ、ちょうどよかった」
「私に何か・・・・・・?」
秦が自分に用事だなんて、珍しい。
初めてじゃないだろうか。
「今日、何か予定はありますか?」
「今日ですか? 特には何も」
月野の答えに、秦は複雑な顔をする。
「本当に、なんの用もないんですね?」
「? はい」
まるで、何か用事があった方がいいみたいだ。