RUBY EYE

「じゃあ、お昼過ぎに付き合ってもらえますか?」

「どこかに出かけるんですか?」


頷く秦は、どこか申し訳なさそうに見える。


「わかりました。あの、綾織くんを起こして来ます」


月野はペコッと頭を下げて、十夜の部屋へ向かう。

その背を見送ることができなくて、秦は目を伏せた。


「あら、珍しい。こんな朝からスーツ着て」


朝食の仕度をする椿が、秦を見つけて笑いかける。


「なぁ、椿」

「何?」

「いや、なんでもない。・・・・・・手伝う」


トレーを受け取り、秦はダイニングルームへ移動する。


「・・・・・・?」


椿は気になりつつも、今は朝食の仕度に集中することにした。





―――コンコン。

ノックしても、返事はない。

月野はゆっくり静かに、扉を開ける。


「・・・・・・綾織くん?」


ベッドに近づき声をかけると、十夜の瞳がうっすらと開く。


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