RUBY EYE
秦の名前を出すと、椿の眉間に深い皺が寄る。
「あいつと出かけるの?」
「はい。ダメ、でしょうか?」
「別にダメではないけど・・・・・・」
杞憂であれば、それでいい。
不安そうな月野に笑いかけて、椿は余計な考えを振り払った。
摩耶は昔から、我慢というものを知らない。
いや、知っていながらも、あえて我慢をしないのか。
感情のままに動く彼女は、恐ろしくもあり、同時に無邪気とも言えた。
「ねぇ、十夜。18になったら、結婚できるのよね?」
「法律では、そうだな」
嬉しそうに話す摩耶は、何やら雑誌をいくつも取り出している。
「私、ウェディングドレスが着たいの。でも、十夜は和装の方が似合いそうよね」
摩耶が見ているのは、ウェディングドレスのカタログ。
彼女は18で、十夜が18になれば結婚できる。
「摩耶」
「なぁに?」