RUBY EYE
十夜は、一つ息を吐き、強い声で告げた。
「俺は、お前と結婚するつもりはない」
十夜の言葉に、摩耶から笑顔が消える。
「どういう意味?」
「そのままの意味だ。俺は、お前を愛してない」
いつかは告げなければいけない事実。
夢は、覚めるのが当たり前だから。
「嘘よね? 私と会えない間、愛理が許婚だったから、申し訳ないと思ってるの?」
「違う。愛理にも言った。愛してない、と。摩耶、お前だって気づいていたはずだ」
どんなに摩耶が傍にいたとしても、十夜が彼女を愛することはないだろう。
「俺は―――」
「嫌よ!」
瞬間、摩耶の瞳が赤く染まる。
怒りで、綺麗な顔が歪む。
「そんな話、聞きたくない!」
「! 摩耶!」
怒りに任せ、摩耶は雑誌を投げつける。
「私が知らないとでも思ってるの? 十夜の傍に、女がいることくらい、知ってるわ!」