RUBY EYE
彼が何故、ここに?
様々な疑問と憶測が、頭の中を飛び交う。
「紅玉館にいるのかしら?」
「摩耶!」
十夜の引き止める声さえ無視して、摩耶は歩き出す。
そんな彼女の足を止めたのは、静貴だった。
「月野ちゃん、紅玉館にはいないよ」
「いない? じゃあ、どこにいるの?」
瞳の赤は、未だ消えていない。
「綾織本家」
「な・・・・・・!」
驚きの声を上げたのは、十夜だった。
彼女がどうして、本家にいる?
「ふふ。ありがとう。やっぱりあなたは優しいわ」
摩耶は軽い足取りで、廊下を歩いていく。
「摩耶! どいてください、静貴さん」
追いかけようとする十夜の前に、静貴が立ち塞がる。
十夜が睨んでも、静貴は穏やかな笑みを浮かべていた。
「綾織の当主は、月野ちゃんを何故呼んだと思う?」
「・・・・・・」
そんな話、今はどうでもいい。
そう言いたかったが、無視もできない。