RUBY EYE
あんな風に、自分も狂うのか?
それは恐怖であり、己の矜持を失ってしまうように思えた。
だから、十夜は血を極力飲まないようにしてきた。
綾織本家では変わっていると言われてきたが、紅玉館では誰も何も言わなかった。
紅玉館の住人は、血を控える者ばかりだから。
「でも、飲まないと死ぬわ」
月野は現実を突き付けた。
どれ程拒んだとて、飲まねば死ぬ。
「・・・・・・わかってる」
十夜は顔を背けたまま、月野を見ようとしない。
「・・・・・・」
月野はそんな十夜を見て、覚悟を決めたようにお守りに手を伸ばす。
そして―――。
「月野・・・・・・!?」
血の香りが欲望を煽る。
匂いに気づいた十夜は、月野を見て驚きで起き上がった。
自分の腕にナイフの刃を当てている月野。
血が伝い、服に赤い染みが広がっている。
「何して・・・・・・!」