RUBY EYE
十夜の瞳は揺らいでいた。
心配と疑問、そして欲望が入り混じる瞳。
「・・・・・・ッ」
月野は自分の腕から流れ出た血を、口に含んだ。
口の中に広がるのは鉄の味。
こんなものが美味しいだなんて、月野には良くわからないけど。
これで十夜が助けるのならば、いくらでも我慢する。
「月野―――!?」
「・・・・・・ん・・・・・・」
飲み込まぬよう気をつけながら、月野は十夜の顔を両手で掴み、唇を合わせた。
血を飲ませようと、無理矢理、歯列をこじ開けようとするが、うまくいかない。
血が口の端から漏れてしまう。
それでも、多少は飲んだらしい。
「やめろ、月野」
「綾織くんが飲んでくれるなら、やめるわ」
腕の血は止まっている。
再び刃を当てようとする月野を、十夜が必死に止める。
「やめてくれっ」
十夜の縋るような懇願を、月野は無視した。