RUBY EYE
切り付ければ痛いし、ヴァンパイアのようにすぐには癒えない。
でも、他に何をすればいいのか、わからないから。
月野は血を口に含み、もう一度十夜に唇を重ねた。
「やめ・・・・・・っ」
拒む十夜だが、一瞬開いた口の中に、血が流し込まれる。
甘く誘うような血の味は、最高級の美酒のように、体から力を奪う。
「・・・・・・はぁ」
熱い吐息が口から漏れ、十夜は壁にもたれ掛かる。
渇いた体の全身に、血が駆け巡る感覚。
「・・・・・・んッ」
三本目の傷が、腕に刻まれる。
ジワリと溢れ出る血の赤に、十夜は諦めるように喉を鳴らした。
「月野・・・・・・」
「あっ」
腕を引かれ、伝う血を舐め取られる。
自分から傷つけたけれど、いざ舐められると、頬が自然と赤らむ。
―――チュ・・・・・・チュッ。
血のすべてを舐め終えた十夜は、傷痕にも愛おしむようなキスを落とす。
「・・・・・・ごめん」