RUBY EYE

謝る前に、するべきことがある。

月野は十夜の口元に、首筋を近づけた。

口移しで飲ませた血なんて、大した量じゃない。


「・・・・・・あ!」


チクリとした痛みは一瞬で過ぎ去る。

首から全身に広がるのは、吐き出す場所のわからない熱。


十夜の首に腕を回すと、月野は口から漏れそうになる声を十夜の肩に埋めて押し殺した。


「ん・・・・・・んッ」


十夜の喉を伝っていく血は、彼の体を潤していく。

あまり飲み過ぎないよう気をつけたつもりだが、夢中になりすぎた。

月野は力無く、十夜にもたれ掛かっている。


「悪い・・・・・・飲み過ぎた」

「・・・・・・大丈夫」


十夜の胸に頬を寄せると、力強い心音に安心する。


「月野? ・・・・・・寝たのか」


小さな寝息が聞こえ、十夜は安堵の息をつく。


「腕、手当てしないと」


月野をベッドに寝かせ、十夜は足元に救急箱があることに気づく。

十夜の傍を離れようとしない月野を手当てするため、椿が持って来たものだ。


< 329 / 403 >

この作品をシェア

pagetop