RUBY EYE
謝る前に、するべきことがある。
月野は十夜の口元に、首筋を近づけた。
口移しで飲ませた血なんて、大した量じゃない。
「・・・・・・あ!」
チクリとした痛みは一瞬で過ぎ去る。
首から全身に広がるのは、吐き出す場所のわからない熱。
十夜の首に腕を回すと、月野は口から漏れそうになる声を十夜の肩に埋めて押し殺した。
「ん・・・・・・んッ」
十夜の喉を伝っていく血は、彼の体を潤していく。
あまり飲み過ぎないよう気をつけたつもりだが、夢中になりすぎた。
月野は力無く、十夜にもたれ掛かっている。
「悪い・・・・・・飲み過ぎた」
「・・・・・・大丈夫」
十夜の胸に頬を寄せると、力強い心音に安心する。
「月野? ・・・・・・寝たのか」
小さな寝息が聞こえ、十夜は安堵の息をつく。
「腕、手当てしないと」
月野をベッドに寝かせ、十夜は足元に救急箱があることに気づく。
十夜の傍を離れようとしない月野を手当てするため、椿が持って来たものだ。