エレーナ再びそれぞれの想い
エレーナとプリシラが戻って来た。
ふたりを交えてさやかが話し始めた。
「今まで黙っていたけど、実を言うと貴方は、宮原慎一の生まれ変わりなの」
そう、さやかは切り出した。
シュウと中沼の驚きようは、言葉では言い表しきれないものであった。
それは、当然であろう。
「僕が、慎一さんの生まれ変わり? 嘘でしょう?」
「いいえ、本当よ。私は幼い慎一の身を案じながら死んでいったわ。
でも、なぜか天使として生まれ変わり、天上界で過ごしてきた。
人間が、死後天使になる事は極めてまれなの。全ては巨大樹の意思…… 
そんな時だった。エレーナさんと出会い、慎一が大変だと聞かされたのは。
慎一と再会出来たのは、全てエレーナさんのおかげ。
私達は、他の天使達の力も借り、慎一の最大の危機を乗り越えた」
さやかによって語られる真実……
「じゃあ、貴方が慎一さんの……」
さやかを指さしたまま驚くシュウに、彼女は静かにうなずいた。
さやかは、慎一の過去を全て語った。
エレーナとふたりで慎一を支えて来た事を。
そして、慎一とエレーナが恋人であった事も。
「そう言えば、エレーナさんと初めて出会ったばかりの頃、確かこんな事がありました。
エレーナさんは、慎一さんを思い出し、僕を突然抱きしめ、泣きだした事がありました。
エレーナさんもさやかさんも僕に対し、特別優しかったのは、そういう事だったんですね」
まだ、半信半疑ではあったが、シュウは少し理解出来たような気がした。
「家族を失い、大変だとエレーナさんから聞かされた。
だから、私は姉として貴方をもう一度助けに来たの」
シュウは、さやかが自分の元に来た本当の理由がようやく分かったのだった。
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