エレーナ再びそれぞれの想い
 一方天上界では、巨大樹の力がさらに落ちていた。
危機感を強めたイザベラ・エレガンス幹部は、かつて、自分が大変可愛がっていたマリアンヌの事を思い出していた。
「マリアンヌ……」
第二次大戦中、日本で不審な外人と間違われ、特高警察に追われたマリアンヌ。
マリアンヌをかばったせいで警官に撃たれた青年。
自分のせいで致命傷を負ったその青年を、救う事を強く求めたものの、天上界はこれを拒否。
死にかけた人間の寿命をむやみに延ばせば、人間界の歴史を変えてしまう恐れがあるからだ。
マリアンヌの嘆願むなしく、青年は絶命した。
天上界の規則に反発したマリアンヌは、天上界幹部達と激しく対立。
そして、天上界の規則に疑問を持つ一部の天使達と共に、天上界を離れた。
天上界のこの規則は今でも続く。
イザベラ・エレガンス幹部は、マリアンヌの事でひどく心を痛めていた。
「マリアンヌ、今頃どうしているのでしょうか……」
あれから142年を経た今も天上界では、マリアンヌの消息をつかめていなかった。
そして、そのマリアンヌが、天上界から遥かに遠く離れた場所に、新天上界を
設立していようとは、この時点では、天上界の誰ひとりとして知る由もなかった。
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