スイーツな関係
「ほら、下りるぞ」


彼女のシートベルトを外す為に、覆いかぶさるように手を伸ばすと俺の首に華奢な腕が絡みついた。


「いや……」


その声は先ほどとは打って変わり、正気に戻ったように聞こえる。


首に絡む腕に力が入り、彼女の吐息が耳朶に触れる。


「離れろよ」
「い……や……」


気だるげな吐息にくすぐられ、意識はしていなくとも理性が少しずつ崩れていく。


離れろよ。と言っても無理に引き離そうとはしない俺はこの状況を楽しんでいるのかもしれない。


< 47 / 512 >

この作品をシェア

pagetop