泣きたくなるような声






そういうものなのだろうか。


俊一が私にとって、初めて出来た彼氏だった。この歳で初めて彼氏が出来ただなんて遅いのかもしれない。




だから、わからないことだらけだし、初めてが多かった。



こうして異性に電話をかけてもよくて、こうして弱音を、日々のことを隠さずに話せるというのも、俊一が初めてだ。






だから、少し怖い。



あれこれ考えてしまう。
こう言ったら嫌われないか、とか。


女同士の、独特などろどろを経験してきた私は、なおさらだった。



どうしたら相手に不快な思いをさせないのか。

いつも怖かった。






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