泣きたくなるような声





ああ、なんだろう。









「真琴と話は、いつだって聞くし、聞きたいって思ってる」









鼻の奥が、つんとした。


どうしよう。
どうしようもない。





私は小さいころから泣き虫だった。すぐ泣く。

人前で泣くということが恥ずかしいと思っていた。変なプライド。別にいいじゃないか、人前で泣いたって。




そう思っても、私は意地っ張りなところがあるのかもしれない。



目に、落ちそうになるくらい溜まった涙を、どうしたらいいのかわからなくて、鼻をすすった。





耳では「真琴?」という、俊一の声がしている。


うん、と私は返すけれど、声は震えていた。






ばれないだろうか。





ばれるだろうな。








< 11 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop