泣きたくなるような声
ああ、なんだろう。
「真琴と話は、いつだって聞くし、聞きたいって思ってる」
鼻の奥が、つんとした。
どうしよう。
どうしようもない。
私は小さいころから泣き虫だった。すぐ泣く。
人前で泣くということが恥ずかしいと思っていた。変なプライド。別にいいじゃないか、人前で泣いたって。
そう思っても、私は意地っ張りなところがあるのかもしれない。
目に、落ちそうになるくらい溜まった涙を、どうしたらいいのかわからなくて、鼻をすすった。
耳では「真琴?」という、俊一の声がしている。
うん、と私は返すけれど、声は震えていた。
ばれないだろうか。
ばれるだろうな。