旦那様は芸能人~そして、初恋の人~【完】
ブラックを飲みながら、蛤の吸い物を作ってると、誰かの携帯が鳴った。

私かとも思ったけど、TAKUMAのようだった。



「今から?何でだよ――うん、うん――は…?」



TAKUMAが私を見ながら、困ったような表情。

急用が出来たんだろうと、火を止めた。



「仕事?」



紀伊さんが訊ねると、「いや…」と、歯切れの悪い返事をしてる。



「何なのよ」



けど、紀伊さんに軽く怒られると、私を見て来た。
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