「なぜ岩原先生が逮捕されたのか?」と。


 二億円の事務所経費問題があり、光岡日名子という女との愛人疑惑も重なって、岩原は検察の餌食になった。


 光岡は表舞台に全然出てこないし、どこにいるのかも分からない。


 ただ言えるのは、愛人疑惑は立ち消えになってしまったということである。


 それと同時に検察は岩原を徹底して取調べ、起訴へと持っていったのだった。


 多額の保釈金を支払い、シャバに出てきた岩原が何をし出すのか見ものだと思っている。


 国会内の岩原事務所は主が逮捕・起訴されたことで、ほぼ閉鎖同然となっていた。


 俺も岩原はもう政治家としての影響力がないと思っている。


 単に小政党の代表としていたとしても、二度と与党に入ることはないだろう。

 
 瓦解した新民党政権も、結局岩原が作り、岩原の手で壊した。


 責任を取るべきなのは、あの男なのだ。


 だが、まるで開き直ったような感じでもある。
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