絶対にみちゃダメ!
 って、半分男に戻ってる!

 声は高いままだったけど、顔つきが寮にいるときと同じだった。

 口調もちょっとラフっぽい。



 まずいんじゃないかと思って、思わず虎の方を見てしまった。

「そりゃそうだけどさ、自分にお金をかける事だって時には大事だぜ?小町はそういうこともうちょっとしてもいいって思う」

 虎も意外に真面目な顔をしていた。

 真剣に黒い瞳で見つめられて、あたしは思わずたじろいだ。




 っていうか、どうでもいいよ!あたしの美しさなんか。

 どうもコイツらはすぐ話の筋から脱線する。




「エステなんかはいいけどね。とにかく寮には居られないんだね」

 あたしは無理やり話を戻した。

「そうだよ、だから俺の家に来いってばー」

「いや、それはありがたいけど、いいよ。家に帰る……」

 あたしは丁重に断って、また机に突っ伏した。


「どうしちゃったの、小町?お兄ちゃんに会いたいんじゃないの?」

 雅がなだめるようにあたしの背中を叩く。



……お兄ちゃんに会いたい。

 それはあたしがいつも願っていることだった。

 でも、あたしはまだお兄ちゃんには会えないんだよ。


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