絶対にみちゃダメ!
 会いたい、でも会えない。会いたくない。

 突っ伏していると、優しいお兄ちゃんの笑顔を思い出した。

 胸が染みるみたいに痛くなって、泣きたくなる。



 しばらくして逆側の肩をポンと叩かれた。

「なんだ、小町はブラコンなの?俺、小町より半年年上だ!お兄ちゃんになってやるよ」

 余計なお世話だよ。

 っていうか、やっぱり虎ってバカだと思う。

「ありがとう」

 あたしは突っ伏したまま投げやりな感謝の言葉を言った。

 優しさはありがたいけど、どうでもいい。




「よっしゃ!コレで小町のハートの中心部に一歩近づいたぜ!」

「アンタ、救いようのない馬鹿ね」

 ガタンという物音と、呆れたような雅の声。

 まったくもって同感だった。

「バカでも何でもいいんだよ。俺は小町が好きなの!」

 虎がはっきりした口調で言い切った。

 そういう、まっすぐなところ嫌いじゃないけど、どう突っ込んだらいいか分からない。



「好きだとバカになれるの?」

 ふと雅の声が真面目になった。

「は?」

 虎の呆れたような声が聞こえる。


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