絶対にみちゃダメ!
「もういいよ」

 あたしはため息混じりに言った。

「よかった……」

 雅は凄く安心したようだった。

 不安になるのくらいなら、はじめからこんなことしなきゃいいのに。

 あたしは抵抗する気力もなく腕に包まれたまま、眉をしかめた。

 何を考えてるんだか分からない。

 とにかくあたしの常識では当てはまらないってコトだけが確かだった。





 やっと気持ちが少し落ち着いてきたと思ったのに、

「またしてもいい?」

 雅がそんなことを言い始めた。

「いいワケないでしょ!」

 パニックが落ち着いて失った力を取り戻し始めていたあたしは、雅の身体を強引に引き離した。

「したいのに……」

 がっかりしたような雅。



 コイツ一体なんなの?

 ただの無神経なの?

 それとも、もしかして天然?

 青い瞳を伏せがちに、物憂げなため息をつく様子を見ていると、なんだかあたしが悪い事をしているような気がしてくる。

 なんであたしがこんな気持ちにならなくちゃいけないのよ!

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