絶対にみちゃダメ!
 時間が来て、あたしたちは連れ立って寮を出た。

 革張りシートの無駄に高そうな黒塗りの車に載せられて、虎の家に向かった。


 なんせ天下の東雲グループ。

 一体どんなところに住んでいるんだろう。

 庶民の想像とかけ離れているんじゃないかと予想して、ワクワクした。





 車が止まって、何かと思ったら、やたら背の高い飾りのついた門の前に車が止まっていた。

 運転手さんが窓を開けて、守衛らしき人となにやら話している。

 どうやらここが入り口みたいだ。



 ギギギと物々しい音がして、門がゆっくり開き、車が再び走り出した。

 両脇に手入れの行き届いた木が植えられている。

 白い石畳の道がまっすぐ伸びていた。

 車はその上を遅めの速度で進む。



 こういうお金持ちのお屋敷って、門から家までが遠いんだっけ。

 なんて思っていたあたしだったけど、さすがに不安になってきた。

 一向に車が止まらないからだ。


 まさか迷子になっちゃってるんじゃ……なんて、ありえないことを考え始める。



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