絶対にみちゃダメ!
 思わず隣の雅を振り返ると、相変わらず涼しそうな美貌で、落ち着いた表情をしていた。

「どうしたの?小町」

 不思議そうに尋ねられて、恥ずかしくなってうつむいた。

 すっと雅の手があたしの腿の上にのった手に重ねられる。

「パーティは離れでやるみたいから。もうすぐつくよ」

 少し冷たい手の平が、何故か凄くあたしを安心させてくれた。



 心臓がはっきりと鼓動し始める。

 やだ、どうかしている。

 雅にドキドキするなんて。




 ちらりと横目で顔をうかがうと、綺麗にお化粧された美貌がコチラをむく。

 居心地が悪くなって、あたしはとっさに目をそらした。





 そして、パーティ会場に着いた。

 小さな離れを一つ丸々使っているらしい。

 だいたい、離れってなんなのよ!

 無駄な建物、建ててるんじゃないわよ。

 まったく、なんてもったいないお金の使い方をしているんだろう。


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