絶対にみちゃダメ!
 あたしは会場に入るなり、ポカンと口を開ける羽目になった。

 どこかのホテルのパーティルームみたいな場所だった。

 シャンデリアがきらめき、そこかしこにおいてあるものも全部一級品。

 上品な深い赤の絨毯は綺麗に手入れが行き届いている。

 既に結構な人数が集まっていて、正装した人たちでひしめき合っていた。




 これが、17歳の男の誕生パーティなの?

 どっかの大企業のパーティとかじゃなくて?

 呆れて開いた口がふさがらない。


 東雲一族の繁栄の片鱗がうかがえた。


 儲かってるってわけねえ。



 虎はこういう世界の頂点に立つ男なんだ。

 ちょっと馬鹿っぽいけど、大丈夫なのかな。



 あたしはそんな不安を感じられずにはいられなかった。

 余計なおせっかいだけど、虎ってなんかそんな感じなんだもん。

 俺様であることも確かなんだけど。



「小町、こっち」

 ぽけっと突っ立っていたら、雅に手を引かれた。

 あたしは素直についていくしかなかった。

 こんな場所で一人で放って置かれたら、右も左も分からないから。


< 58 / 113 >

この作品をシェア

pagetop