スイートスキャンダル
美味しい料理にお酒が進んで、そのうち自然とリラックス出来るようになっていた。


柊君はアルコールに強い方なのか、二人でビールと熱燗をどんどん空けていく。


ただ、あたしの方は久しぶりにたくさん歩いたせいなのか、そのうち睡魔に襲われ始めて…


仲居さんが夕食の後片付けをしてくれている間に、瞼が重くなっていくのがわかった。


「遥さん、こんな所で寝たら風邪引きますよ。それとも、また抱いて運びましょうか?」


柊君に意地悪に促されて、思わず閉じ掛けていた目が冴える。


「ちゃんと自分で行けますぅ〜!」


舌が回らない状態で話して立ち上がり、フラフラと歩いて襖を開けた瞬間、目の前の光景に体が硬直してしまった。


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