スイートスキャンダル
ピタリとくっ付けられた布団に、気まずさが込み上げて来る。


柊君はあたしの背中をそっと押して中に促すと、自分も部屋に入って襖を閉めた。


行灯(アンドン)を模(モ)した枕元のライトが、やけに生々しい。


昨夜は酔い潰れて眠ってしまったから、変に意識をする暇も無かったけど…


一気に頭が冴えた今日は、とてもじゃないけど横になれない。


そんなあたしを余所に、柊君は当たり前のように右側の布団に寝転んだ。


「遥さん、寝ないんですか?」


無理……


絶対に無理っ……!


だって、こんなのっ……!


全身がカッと熱を帯びていくのを感じながら、ただただ立ち尽くしていた。


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