想 sougetu 月
もう1度目を開ければ、目の前にシイナがいる。

「あの完璧王子様が選ぶような彼女か……。やっぱり美少女なのかね?」
「ん、そうみたい。すごく可愛い子だったって」
「やっぱり……。美男美女はくっつきやすいんだねー」

 そんな事をしみじみと言うシイナに笑ってしまう。

 面白くなさそうに言っているシイナも美人に入るはずだ。

 化粧が上手でファッションのセンスも高い。
 スッと綺麗に伸びた足はうらやましい限りだ。

 私はメガネのブリッジを指の第二関節でクイっとあげる。
 本当はコンタクトにしようかと思ったのだけど、斎に激しく反対されてしまった。

 うっかりしてしまいがちな私が、コンタクトを落としたり、どこかに置き忘れたりして、他人を巻き込んで探すことになるのは目に見えてるから、誰にでもわかるメガネで十分だって言われたのだ。
 
 確かに多少の不安もあったので、決心がつかないままメガネでいる。
 それに、コンタクトにしたからって、急に容姿が向上するはずもない。

「よっ、お待たせ。シイナ、柚原」
「あ、徹雄」
「こんにちは、川崎君」

 同じ大学にいるシイナの彼氏、川崎君が声をかけてくる。
 
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