想 sougetu 月
「開けていい?」
「ああ」

 小さなラッピング袋には可愛いリボン。
 予算は500円ちょっとくらいだから、本当に気持ちだけになってしまう。

「これはフォトはがき?」
「はがきにもなるフォトカードだよ。ほら、斎の部屋に飾ってある写真立て、もうずっと同じのでしょ? 私視点で気持ちが動いたのを写真に撮って印刷したんだ。これだけあれば1つくらい斎の気に入る物があるんじゃないかって思って」
「へ~」

 何十枚とあるカードを斎は楽しそうに見ている。
 気に入ってもらえたみたい。

 少し安心して今度は自分がもらったプレゼントのラッピングをほどく。

「わぁ~、可愛い!」

 中にはスウィーツデコの携帯ストラップ。

 ドーム型をしたブルーベリームースタルトのケーキがぶら下がって、小さいのに細かいところまですごく良く出来てる。
 上に乗っかってるブルーベリーがちっちゃい。

 すぐにポケットから携帯を出して、今ついている飲み物についてきたオマケのストラップを外して、斎のプレゼントに付け替える。

「……」

 携帯を目の上まで持ち上げ、指でっちょっとはじくとケーキがゆらゆらと揺れる。

「気に入ったか?」
「ん!」

 嬉しくてすぐに返事をすると、小さなケーキの向こうで、斎がふわっと微笑む。
 めったに見られない斎の笑い方。

 嬉しい……。

 本当に嬉しそうな自然な笑みに私の気持ちは舞い上がってしまう。

「……大切にするね」

 ありきたりな言葉しか出てこなかったけれど、心を込めて言えたと思う。
 
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