想 sougetu 月
「いや……」
「嫌?」
「電気……」

 部屋の電気のせいで、自分のすべてをさらけ出すことに羞恥心が煽られ、何を受け入れようとしているのか理解出来て罪悪感が湧

き上がる。

 斎は振り向き照明を見て「ああ」と笑った。

「わかった。ちょっと待って」

 そう言うと、ちゅっと音を立てて私にキスすると電気を消す為に離れていった。

 斎が離れたことによってほっと出来たのか、体から力が抜けて気が緩む。
 私は目を閉じて、呼吸を整える。
 心臓はマラソンでもした後かのように、ばくばくとすごいスピードで鼓動していた。

 ぱちんと音がして、明かりが消えた。
 遮光カーテンじゃないので、外の明かりがカーテンに映る。

 部屋は真っ暗に見えるけど、暗闇に目が慣れてしまえば見えてしまう。
 それでも、電気が点いているよりずっといい。

「もっと上に上がって」

 床に触れていた足が斎に持ち上げられ、軽く押される。

 ベッドの横を横になっていたので、体を曲げて体を傾け、言われた通りに上に上がって枕の上に頭を乗せた。

 ぎしっと小さな音をたてて、ベッドが沈む。
 斎がベッドの上に乗って、また私の上にのしかかってくる。

 暗くて表情はあまりわからないけど、多分、真剣な表情で私を見ているだろう。
 それが恥ずかしくて顔を背けた。

「出来るだけ怖くないようにするけど、怖かったら叩いても引っ掻いてもいいから、声は抑えないで出して」

 ただ人形のようにこくりと頷くと、暗いのにそれがわかったのか、斎が笑ったような声が聞こえる。
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