想 sougetu 月
「どれ?」

 何を言いたいのか理解出来ないので斎に聞いてみると、触れるだけのキスが落とされた。

「斎?」
「パソコン」

 そうささやくように答えられて、視線は落ちたままになっているパソコンに気づく。

「わかった?」
「……」

 自分でふにゃっと泣きそうな顔になったことがわかる。

「気の済むまで泣かす?」
「そ……」

 まるで小さな子供を褒めるように、斎は優しく笑って頬を撫でてきた。

 優しく触れられても、本当に泣きたい気持ちになる。
 斎はすると言ったら絶対にするのだ。

「斎……ご……ごめんなさい」

 懇願するように斎を見ると、指がゆっくりと引き抜かれ開放された感覚にほっと力が抜けた。

 めったにないけれど、ダメと言っておきながら許してくれる時があるのだ。

 しかし、次の瞬間。
 さっきとは比べ物にならないほどの圧迫感と痛みがした。

「謝ってもだめ。懇願しても許さない。たくさん泣かせて、……忘れなくなるほどの快楽を体に覚えさせるまではね」
「ああっ……」

 私の中で2本の指がばらばらに動かされる感覚がし、一度落ち着きだしたま快楽がまた生まれる。

 斎はそんな私の反応に嬉しそうに笑うと、深いキスで私の悲鳴を封じた……。
 
< 52 / 97 >

この作品をシェア

pagetop