想 sougetu 月
 私のあそこに何かが擦り付けられたかと思うと、次の瞬間、指とは比べ物にならないほどの圧迫感と伴う痛みに体を硬直した。

「いっ……いあ……痛っ!」
「くっ……力抜くんだ」
「できな……」

 激しい痛みにいわれている言葉ですら理解出来ない。
 痛みに逃げようとするが、両腕は両足に括り付けられたままだ。

「斎……痛い……抜いて」
「無理……、と……とにかく体に力を……あっ……ああっ! う……いれる……な」

 感じるのは苦しさと痛み。
 異物がきちきちと音を立てて入って来るように聞こえる錯覚が起きる。

 痛みをこらえようとしてシーツを握り締めて耐えようとした。

「うっ……あ……」

 入れられて苦しいのは私なのに、なぜか斎の方が苦しそうにめいた。
 視線を上げると、やっぱり苦しそうな表情を浮かべている。

 入れてる斎も苦しいの?

 苦しそうな斎を見てると不思議な気持ちになる。

「くぅ……あ……月子」
「い……斎」
「はぁ……ん……全部入った……」

 内股にぴったりと斎の肌の感触がして、じんじんとした痛みがあるものの引き攣れた痛みは治まっていた。

 私、斎と1つになってるんだ……。
 もうこれで引き返せない。

 罪悪感と、喜びが同時に湧いてくる。
 
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