想 sougetu 月
 また斎にお姫様だっこをされてお風呂場から運ばれたのは自分の部屋ではなく斎の部屋のベッドに上だった。

「どうしてこっち?」
「あっちは乾かしている最中だから」

 少し不機嫌そうな斎は、そっけなく答えるだけだ。

「乾かしてる?」
「ああ、そう。誰かさんの体液でおねしょしたみたいにベッドがまだ濡れてる」
「!」

 恥ずかしいことを言われて言葉が出ない。
 そんな私にちらりと視線を向けただけで斎は部屋から出て行ってしまった。

 あれはかなりへそを曲げちゃっているみたいだ。

 でも2人に私達の関係を言うなんて出来ない。
 
 普通なら一緒に住んでいて隠すなんて難しいかもしれないけれど、2人は仕事で忙しく残業や出張が多い。
 会社が上向き収益をあげてから家を開けていることが多くなった。

 今日だって2人そろって出張でいないし、こうゆう状況なら隠すのもそう難しいことじゃないだろう。

 斎は食事を乗せたトレイを持って戻ってきた。

「斎のは?」
「今持ってくる」

 そっけない返答に小さく笑ってしまう。
 
< 65 / 97 >

この作品をシェア

pagetop