想 sougetu 月
 ベッドに腰掛け、私の横に座って食事をしている斎の横顔を見る。

「ね、斎。私で何人目?」
「何が?」

 私の方を向かず、もくもくと食事を口に運ぶ斎はまだ不機嫌なようだ。

 でも、これを言ったら斎は必ずこっちを向いてくれる。

「えっちした人数」
「はあ?」

 予想通り、斎は驚いたようにこっちを見てくれた。
 そのことに、少しほっとしてしまう。

「だって斎、モテるでしょ?」
「だから?」
「経験も豊富なのかな?って、……だって、なんかすごく慣れてるみたいだったし」

 私の言葉に斎は疲れたような表情を浮かべると、食べるのをやめ膝の上に乗せてたトレイを机に乗せる。

「くだらない。……セックスの人数イコールモテ度なら、俺はまったくモテないことになるな」
「斎の場合、モテるけど相手にその気にならないんじゃない?」
「そうだよ。あんな肉食の女なんて異性とも思えない」

 肉食の女が何を指すのか、さすがの私もわかる。
 そして、まったくモテないことになるという言葉も。

 遠まわしに経験がないって言っているのだ。

 私が始めての相手だとわかって何だか恥ずかしくて嬉しくなってしまう。
 
< 67 / 97 >

この作品をシェア

pagetop