~文明開花 恋い焦がれ~  序

「...何がどちらさんだよ!!こっちは、わざわざ起こしにきてやってるって言うのにちょっとは感謝したら、どうなわけ?」

ぼんやりしていた意識が
次第にハッキリしてきた。

「....え?あっ、それは
どうもです。」

少し頭を下げて、お礼を
言ったは良いのだけれど、
未だに何が何だか分からない。

「だいたい、君は誰な訳?」
こっちが聞きたい。

何であなたが私の部屋にいるのですか?
意味がわからない。
....ん?
辺りを見回すと自分の部屋とは違うことに気がついた。
置いてある物。壁紙。
部屋の色にしろ、
見慣れないものばかり。

ココハドコ??

「だから君は誰な訳?
名前くらい名乗ったらどうなの?」

考えにふけっていると、
少年はイラつきを露にしながら、聞いてきた。

「あっ、私は阿山彩葉ですけど...
あなたこそ、誰ですか?
ていうか、ここはどこ?」

意味がわからないとでも
言うような顔をして、
少年は答えた。

「僕?僕はね、境 鷹麻(さかい たかま)っていうんだ。もう、二度と言わないから覚えといてよ。
ここは、霊物(たまもの)イロハ屋...君と同じ名前の店。」

「鷹麻さん?
あと、イロハ屋?」

< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop