Beyond Your Imagination


アキ「こ、こんにちは」


若干緊張しつつも、視聴覚室に入る。


ナオシ「あ、アキちゃん

遅かったね、何か用事?」


時計は12時55分を指していた。


アキ「クラスの子と話していて…」


そっか、と微笑む先輩。

あぁ…こんな人が、私の彼氏だなんて。

こんな瞬間、大切にしたい…そう思う。


ナオシ「あ!アキちゃんそこ…!」

アキ「?

…きゃ…っ!」


ドンッ。





アキ「痛…っ」


何かに滑ったようだ。

…ん…?暖かい…?

…床が平らじゃない。


アキ「っ!!

ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?

真田センパイ!!」


転ける私を真田先輩が支えたせいで、

私が先輩を下敷きにしている状態に。

…なんてマンガみたいな展開…恥ずかしい。


アキ「さな…

…!?」


何も反応しない先輩にもう一度呼び掛けようとしたら、

体を引き寄せられ、抱き締められた。


ナオシ「大丈夫

だから…ちょっと…もう少し…」

アキ「??

センパイ!」


!?

もしかして…気を失った?

先輩の腕は私を抱き締めたまま。

どうしよう…!

先輩、倒れた時に頭ぶつけた…?


ガチャッ。


タツヤ「あれ!?お取り込み中?

お邪魔しまし…」

アキ「ちょ、鈴木先輩!

救急車…!」


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