気合いの華
「俺別に乱闘なんかしねぇって!野球はバスケとは違ぇしよ?」

「まぁ野球ほど見ててつまんねぇもんはねぇよな!」

「ミッキー、それ野球部の人聞いたら怒られますよ?」

「カズキくん、その前に俺が野球部だって…」

隼人先輩は更に凹んで携帯を弄り始めた。

「あ~あ、隼人すねちったよ。」

俺はそれを聞いて苦笑いを浮かべた。

「なぁ、みんな来るかわかんねぇから暇じゃね?」

「ならコレ使って遊ばね?」

そう言ってミッキーは革のカバンから警棒を取り出した。

「何それ?」

「は?ミッキーそれまさか!?」

「流石冴島くん、わかってんねぇ♪」

「もしかして抜け出して来た?」

「あぁ、暴れて来てやったぜ!コイツら2人は途中参加だけどな♪」

「は、はは…」

珍しく冴島くんも、隼人先輩も苦笑いしていた。

「こんなんもあるぞ?」

そう言ってミッキーは手錠と輪っかに幾つもの鍵が着いたそれを見せてきた。

「ミッキー!そりゃ流石にヤベーって!?」

「警察もぜってー黙ってねぇよ!!」

「そん時ゃまた黙らせっから大丈夫だって♪」

ミッキーは笑いながら俺と松戸くんに警棒を1本ずつ渡してきた。

「こりゃお前らの報酬だ♪」

ミッキーは嬉しそうにしていたが、俺と松戸くんは苦笑いだった。
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