夜明け前
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「コホッコホッ、コホ」
―うん、段々つらくなって来た。
完ぺき風邪だ。
「はぁ、帰りたい…」
―でも後少しの我慢。
学校終わったら、家に帰ってすぐ寝よう。
さくに先に帰るって言っとかないと。
「おっ、本城ー」
「チッ、なんですか先生」
「ん?!今舌打ちしなにか御用ですか、つのぴー」…」
「―クスン、…そのさっさとしろよ的な視線が悲しいぞ」
「……」
「…ゴホン、あのな、あれだ、図書室までこれ運んどいてくれるか?先生これでも忙しくってなぁ、お、やってくれるか!ありがとう頼んだ!よろしく!」
スキップしながら去っていく担任に少し殺意を覚えながら、足元に置かれた段ボールに視線を向ける。
―めんどくさっ。
「っしょ、…重いし。なんで私、男子にでも頼めばいいじゃん」