夜明け前


「あれ?これって階数の番号じゃないの?」


そう言ってさくがエレベーターのボタンを見つめる。


「ほんとだ、なんか違う」


「あぁ、部屋まで直通だから」


「「ちょくつう?」」


「そう。扉が開いたら、そこが玄関」


「すごい…」


私がそう呟けば、


「はは、すぐに慣れるよ」


ポーン


「ん、着いた。…ようこそ、我が家へ」


扉の向こう側を恐る恐る見てみる。


「うわぁ、すごい。ね、しゅー」


さくがキラキラと瞳を輝かせて周りを見渡している。


それもそのはず、エレベーターの扉が開いてから、正面にある両開きのドアを開けてみれば、その瞬間、視界いっぱいに街中の景色が飛び込んでくる。


「わぁ…、壁が窓になってる。…ん?窓が壁?」


どっちだろう。


とりあえず、一面がガラス張りになっていて、まるで空に浮かんでいるみたい。


「二人とも気に入った?」


「うんっ」


「すっごく」


「それはよかった」


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