夜明け前
「お、そうだったよな。はじめまして。紹介遅れてごめんな。月島要です。好きに呼んでくれな」
うん、この人も格好いい。
ちーちゃんはどちらかと言うと、中性的で、本当に綺麗だ。
要さんは、男らしい、ガッチリした感じ。すごく頼れる大人な雰囲気。
「よろしくお願いします。兄の朔乃です。…あの、お二人はここに?」
「よろしく。敬語はいらない。…あぁ、世話になってる。ごめんな」
「そうなんですか。あの、謝らないでください。なんか、お兄さんが出来たみたいで嬉しいから」
本当だ、なんだかワクワクする。
さくの表情にも滲み出てる。
「いいねぇ、若いって。素直で純粋だ」
「お前はもっと大人になれよ」
「30以上に見られる要に言われたくない」
「……」
あれ、要さんが言い返さない。
「…ん?姫、どうした?」
「要さん、ちゃんと26歳に見えるよ?」
そう首を傾げて、要さんの顔を覗き込んだ。
「…ふ、さんきゅな」
そう笑って、大きな手で頭を撫でてくれるから、気持ち良くて思わず頬を擦り寄せた。
「…可愛い。子猫みたい。要ずるーい」