わたるんといっしょ


「逃げないでよぅ。せっかく来てあげたんだから。仲良くしたくないカー?ま、警戒するのも無理ないカァ」


後退りする好美を追わずに、立ち上がる女。ベリーショートの跳ねっ毛をいじりつつ、どうしたものかと好美を見つめていた。


「ま、とりあえず、どったの?お嬢さんの悲鳴がうるさくてさぁ、目が覚めたのよぅ」


「ぁ、……」


そうだ、と思う。


「た、助けて、くださいっ」


「助けるって何からですカー?あ、暴漢カァ。ようし、女の敵は、これでジャキンと、しちゃいましょうねぇ」


ふざけた口振りの女が、刃物を取り出した。


「え……」


――いつ間に。


あったのか、女は片手に大きな鋏を持っている。


< 101 / 454 >

この作品をシェア

pagetop