わたるんといっしょ
(三)
異次元に連れていかれる。
陳腐な話だろうが、都市伝説の結末にはよくある事例でもあった。
隙間女とのかくれんぼに負けたら。深夜、音楽室のモーツァルトと目が合えば。
この異次元というのは、怪異それぞれの世界(居場所)であると渉は読んでいたが。
「あの世……、なんでしょうかね」
赤い空、黒い地面。
光など一切ないはずが、視界は良好。嫌でもこの異様な世界を伝えてくる。
実際は、先ほどまでいた河川敷とそう変わりない場所なのだが。流れる水が濁り、三途の川のように思えてしまう。
ここを渡れば、自分はあの世に行けるのだろうか。
「こんなつもりじゃ……」
なかったとは言い切れない。