わたるんといっしょ


(三)


異次元に連れていかれる。


陳腐な話だろうが、都市伝説の結末にはよくある事例でもあった。


隙間女とのかくれんぼに負けたら。深夜、音楽室のモーツァルトと目が合えば。


この異次元というのは、怪異それぞれの世界(居場所)であると渉は読んでいたが。


「あの世……、なんでしょうかね」


赤い空、黒い地面。
光など一切ないはずが、視界は良好。嫌でもこの異様な世界を伝えてくる。


実際は、先ほどまでいた河川敷とそう変わりない場所なのだが。流れる水が濁り、三途の川のように思えてしまう。


ここを渡れば、自分はあの世に行けるのだろうか。


「こんなつもりじゃ……」


なかったとは言い切れない。


< 114 / 454 >

この作品をシェア

pagetop