わたるんといっしょ


鋏を地面に突き刺し、それに寄りかかる女――胡弓を見て、渉はだいたいの事情を察してみる。


「魂の伐採人」


奇抜な衣装と大きな鋏には見覚えがあった。もっともそれは胡弓とは別人なわけで、あくまでも推測の類いでしかないのだが。


「へえ、『死神』じゃなくて、『魂の伐採人』って呼ぶあたり、ツウだねぇ、渉くん」


名を呼ばれたことはこの際、どうでもいい。


「あなたの管轄でしたか、ここは」


渉が住む辺りの担当は、渉が知る彼女。都市伝説を求めて、様々な土地へ行くことは今回が初めてではないにしろ、よもや別の死神に出会うとは思わなかった。


彼女以外の死神を見るのは、少々複雑な気持ちになる。


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