わたるんといっしょ
「な、冬月くん!」
危ない、と言う前に飛び降りた細い体。着地した衝撃で、足首が折れるんじゃないかとはらはらしたが、事も無げに歩き、渉と腕を組む。
「ほんに、おっかない小娘やねっ。僕がいないとこで、わたるんはんとけったいな約束を交わしてからに。
わたるんはんはね、僕と結婚するんどす。ほら、婚姻届だって準備してますえ?」
「冬月くん……、男性の結婚は18から」
とは言え、あくまでも冬月の性別は不詳だ。もしかしたら、性別を知るチャンスかと、袖から取り出された婚姻届に目をやろうとすれば。
「僕の性別知りたいんやったら、一晩共にせなぁあかんよ?」
恥ずかしさあったか、小声で囁く冬月だった。
「ふゆっきーには、あっきーいるもんっ。あっきーと結婚すればいいじゃんーっ」
べたべた冬月に負けじと、いつもよりヘブンを擦り付ける阿行。それを見た冬月が更に渉の体に密着し……なんだこの、くんずほぐれつなハッピーシーンは。
「二人とも、そんなに寄りかかっては、バランスが」
おとと、と水晶を落とさないように必死なわたるんだった。