わたるんといっしょ


「“他所もん”って……、僕から何か匂うんですか」


袖を嗅ぐ前に、違うと言われた。


「確かにてめえからもするが、大元はこの家のどっかにある。ちっ、人様の世界(庭)に許可なく入りやがって……!」


藤馬の決まり文句が、『この世界で生きるなら、俺に逆らわない方がいい』となるように、この呪法師の役割は、“世界の守護者”たることを思い出す。


もっとも、渉の見ている範囲で、藤馬がそんなことをしているかも定かではないが、“他所者”に憤慨するあたり。


「猿山の……」


縄張りに他の奴が入ったからと憤る動物みたいだ、と心で思う。


「あ、いや……、でも、ほんと知りませんよ?」


「てめえが知らねえはずねえだろうが。他所もんだろうと、この家に入るには、“家主に招かれなければならねえんだから”よ。

てめえが引き連れたに決まってんだろうが、ああ?隠し事してんなら、舌抜くぞ」


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