わたるんといっしょ


「はい。じゃあ、あとは先生にお任せしますよ」


育てる責任は持てるが、短命になってしまう世界に居座せるつもりはない。


産まれるならば長生きはしてほしいし、一つの生誕に自分が役に立てたというだけでも、立派な功績だ。


水晶に、『すみません』と思いつつ、渉はテレサに受け渡すことにした。


近くにいる人たちを、手離せなくなるから。


『僕のせい』で、誰かが苦しむことはあってはならない。


「……」


悪い癖が出たと、足を止めて、俯く。


『そう。じゃあ、今晩あたりに取りに伺おうかしらー。大丈夫?わたるんくん』


「あ、はい……って、先生までその呼び方ですか」


『ブリュンから聞いたのよー。わたるん、だなんていい名前ねー』


「正確には、あだ名なんですがね……」


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