わたるんといっしょ
「ほしいぃ、あ゛あぁあ゛、ほじいぃい゛ぃ!」
“追ってくる”。
息継ぎもさせてくれない速度は、自分の背に飛びかからん距離でしていたが。
「あ゛ぁ――、ほじ、ほし――いぃ……!」
徐々にその声が“遠退く”ことに、渉は心で確信した。
この逃げ方が、効果的だと。
「っ、は……!」
頭の検索ワードは、『テケテケ』の対処法を抽出している。
都市伝説が一つ。
下半身がない、手で歩く怪異。
捕まれば最後、足を千切られてしまうというそんな怪異だが。
口裂け女のように、テケテケ相手に『逃げる』は得策ではない。追い付かれてしまう。
ただし、ある条件が揃えば、この怪異から逃れる術はある。