わたるんといっしょ
脇腹が捩れるように痛い、胃が痙攣して吐きそう。
「なさけ……っ」
ないなと、息を整える。
今まで怪異に会っても逃げなかったためのツケ。
「はあ、はあ……」
体、鍛えなきゃなと息を溢す。
もう、傷つく体なんだ――
「見なかった、のに……」
アレがいなくなってから、あまり、ああいった類いのものを見ていなかったのに、なぜ今更、あんなにも“はっきり見えてしまった”のだろうと思考する。
もともと、渉の目が、この世ならざる者を見てしまったのは、アレが憑いていたため――半ば、同化していたせいなのだ。
アレがなくなった現在、未だに薄らぼんやりと化け物を見てしまうのは、単に“そちらの世界”を知ってしまった視点が拭えないにせよ、ああも鮮明なのはいつぶりか。