わたるんといっしょ


『今晩、伺うわ』


そう言った教師を思い出す。


護衛役をつけた彼女が早々に、何かに負けるということはないが、こんな夜雨では『不意打ち』だなんてこともあり得る。


怪異とはそんなもの。気づけばそこにいた、という奇々怪々であるからして、狙われた人が『絶対に』助かる保証はつかないのだ。


ならば、テレサに来ないよう言うべきなのだが――携帯電話を落とした。


「……」


携帯電話の定位置たる懐に手を添え、恐らくあの時――逃げるさいに落としたんだろうと思う。


携帯電話にかかった初めて見る番号を、一秒二秒で覚えられるはずもなく、家電から学園に連絡したところで、今日は彼岸。先生らも不在であり、異世界から一時派遣されたテレサの連絡先も学園側にあるとは思えなかった。


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