わたるんといっしょ


例え拳銃を持ったとしても勝てないと思った持ち物にせよ、故の無謀。


遭遇すれば死ぬが確定事項ならば、崖から飛び降りるのと差異ない愚行でもあった。


テレサのため、あの人のため、そうやって少年の優しさに焦点を当てようにも、彼が赴いたことで何か変わるわけもない。


「お節介、かな……」


やらなくていいことをやっている。


手段を無為に変えてしまうが、心配となればいても立ってもいられなくなるこの性分。


「“お母さん似”だな、僕」


もしくは“お姉さん”とも言えよう、歳を取らない――小さい頃から変わらない、真っ直ぐな彼女を思い出して、幾分か緊張がほぐれた。


お人好し転じて、世話焼き。

世話焼き経て、お節介。


そんな己の性格に自己嫌悪するような彼女でも、変わることはない優しさ。


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